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いくつもの制約をクリアしながら
「魅せる」舞台を創り上げる。

Shizuka Ono

塩満 大輔

製作本部 東京製作課 製作3係
2011年入社 芸術学部卒

1 あなたの仕事内容についておしえてください

舞台を彩る美術の塗装から巨大造形物の製作まで。

私の担当は、デザイナーが作成したデザイン図をもとに、音楽ライブの舞台演出などに用いる木工・鉄製パネルの塗装や造形物を製作することです。どんなに大規模な会場のライブでも、舞台上の奥行きは限りがあります。そうした制約を感じさせないような、奥行き感と深い世界観を感じられる美術を生み出せるかが、私たちの腕の見せ所。観客の目線の動きや舞台上での照明の当たり具合も考えながら、陰影の書き込みや塗り方を創意工夫すると、その出来栄えは大きく変わっていきます。

また、発泡スチロールやウレタンなどを使って全長4mにもなる大型造形物を製作するケースもしばしば。素材を切り出すための道具を自作・加工したり、素材の質感を変えるために火であぶってみたり。様々なアイデアを駆使して、アーティストや舞台監督が目指す世界観を形にしていくのです。倉庫内での作業がメインで、ライブ本番などに足を運ぶことは少ないのですが、講演後に担当営業やデザイナーといった社内の仲間から、「アーティストもお気に入りだった」「SNSでも話題になっている」といった声をもらえるとガッツポーズしたくなります。

2 印象に残っている仕事

失敗から学んだ「落ち着く」大切さ。

自分の製作物が、有名なアーティストはもちろん、何百人、何千人、何万人という観客にも喜んでもらえるのはこの仕事ならではのやりがいです。ただし、ライブの日程は絶対に変えることが出来ませんから、複数の案件を並行して進めつつ、納期と格闘しながら「魅せる」舞台美術や造形を仕上げていくのは正直大変でもあります。

だからこそ大事なのが、落ち着くこと。実は若手時代、時間に追われて焦るあまり、デザイン図をよく確認せず指示とは異なる色で塗装してしまったことがあります。結局その時は先輩から指摘されるまでミスに気づかず、乾燥するのを待って改めて塗り直して……と、時間も手間も通常の倍以上かかってしまいました。それからは業務が立て込んでいる時ほど深呼吸して落ち着き、図面を確認しながら作業するように心がけています。

現在もがむしゃらに製作に没頭して、後から「よくこの期間であれが作れたな」と驚くことがあります。それもミスなく進めてこそ質にこだわる時間が確保できるし、締め切りがあるからこそいいモノが生み出せるんだと思います。この感覚は、作家の作品作りなどとはまた違ったやりがいかもしれませんね。

3 これから日本ステージで挑戦したいこと

仲間を増やして、「造形チーム」の新設へ。

現在、東京製作課は製作物の骨組みをつくる「鉄骨チーム」「木工チーム」と私の所属する「仕上げチーム」の合計3チームで構成されています。少数精鋭の組織で、造形担当は自分を含めてわずか2名ですが、今後は新しい仲間を迎えて「造形チーム」の立ち上げを目指したい。そして、若手の成長をサポートしながら、「造形と言えば日本ステージ」と信頼されるような実績を作っていきたい。そう考えています。

元々、日本ステージには若手にも責任ある仕事を任せる風土があり、自分自身そのおかげで成長出来た部分が多々あります。実際、新人時代にはコンサートやライブ以外にも人気テーマパークやアミューズメント用の造形物にも携わり、技術やアイデアの幅を広げさせてもらいました。それに、舞台美術ならではの描き方や製作スキルは入社後に先輩方から学んだものばかりです。私が受け継いだスキルは、これから入社してくる仲間にも伝授していきたいと思いますし、いくらでもいい経験が積める環境も整っています。ですから、基本的な絵心やデッサンのスキルさえあれば、あとはやる気ひとつを持って飛び込んできてほしいですね。

Profile

九州出身。美大でデッサンスキルを磨いた後、博多人形の絵付け士として約3年修業。その後、「20代のうちにチャレンジしたい」と海外青年協力隊に転身。帰国後、「将来まで続けられる仕事で、自分の腕を活かしたい」と当社への入社を果たす。造形物の製作では社内でも1,2を争う存在で、塩満が担当した人気ユニット「Linked Horizon.」のツアー用舞台美術はそのクオリティがファンの間でも話題になったほど。

One day schedule
1日の流れ

9:30 出社
製作部全員で各セクションが受け持つ内容を確認。
9:35 各セクションに分かれての朝礼
持ち場に分かれ、より細かな1日の作業内容や次取り掛かる仕事の打ち合わせをします。
10:00 製作作業を開始
全員同じ作業をする場合も多いですが、個々分かれ作業する場合もありますが、下地づくり、絵を描く、色を塗る、造形を掘る、コーティング、立体塗装、布貼り、造花を活けるなど様々な作業を分担する場合も。
11:50 午前中の作業確認
塗装など仕上げは“塗料の乾燥”時間が作業効率を大きく左右する事の1つ。お昼休みに乾燥させておきたいものを移動。
12:00 昼食
 
13:00 作業に復帰
午前中の下地完成後、塗装や絵描き作業を進めます。
14:55 製作物の確認
15時休憩の乾燥時間も大いに活用。休憩明けの作業確認や残り時間についても確認。
15:00 休憩
 
15:15 作業を再開
製作物のクオリティを細かく確認しながら仕上げ作業。
17:30 終礼
セクションごとでの終礼で、今日1日のまとめや、次の日の作業を確認します。
18:00 退社