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お客様に感動を届けるために、
日々挑戦しています

Yoshiyuki Fukuchi

福地 良之

資材管理課 業務管理課 2007年入社
大阪スクールオブミュージック専門学校 商業音楽科卒

1 あなたの仕事内容についておしえてください

技術と営業を融合させて最適な提案

現在、私は主に舞台設営における技術職を担当しており、トラスリギングやモーターを使用した機材のセットアップ、設営の進行管理などを行っています。

現場では、確実な施工と安全を最優先にしながら、限られた時間内で効率的に作業を進めることが求められます。

私はこれまでに2年間のジョブローテーションで営業職も経験しました。
私の営業職の経験が活かされる瞬間が多くあります。

例えば、クライアントと打ち合わせを行う際には、彼らの要望や期待をしっかりと聞き取ることが重要です。お客様が求めているものが技術的に可能かどうか、どのような提案をすれば最適な解決策を提供できるかを考え、技術チームと密に連携を取りながらプロジェクトを進めています。

また、最近では2ヶ月間の育児休暇を取得し、ライフステージの変化も経験しました。育児休暇を取る前は不安もありましたが、上司やチームの理解とサポートがあり、安心して育児に専念できたことにとても感謝しています。この経験は、仕事と家庭の両立の難しさと大切さを実感する貴重な機会となり、復職後はより効率的な働き方やチーム内での配慮も意識するようになりました。
営業・技術・育児と、それぞれ異なる環境を経験したことで、物事を多面的に捉える視野が広がり、自分自身の成長にもつながっています。

2 印象に残っている仕事

両職(営業職と技術職)の経験を活かした成功体験

私のキャリアの中で印象深い仕事は、あるミュージカルの日本公演におけるリギング業務です。

この公演は装置のボリュームが非常に多く、劇場内上空に130台以上のモーターを吊り込み、多層に渡る舞台装置を支えるという、非常に高難度な施工が求められました。
本来であれば営業職が担うクライアントとの打ち合わせについても、当時営業の担当が不在だったため、営業職を担当したことのある、技術職の私が直接窓口となって対応することに。
打ち合わせの段階から各セクションと綿密にコミュニケーションを取り、舞台演出の意図や搬入出スケジュールを細かく把握しました。その上で、安全性と作業効率の両面から最適なモーター配置や吊り構造を提案しました。

仕込み本番では、多数のセクションが同時に作業を進める中で、私はリギング全体の施工管理として現場を統括。全体が混乱しないようタイムラインを共有し、安全確認を行いながらトラブルなく設営を完了することができました。
最終的に、演出・制作サイドからは「この規模でこれだけスムーズに終わったのは初めて」と高い評価をいただきました。

この仕事を通じて、「営業」と「技術」の境界を越えて動くことの大切さと、信頼される技術者とは“相手の立場を理解し、先回りして準備ができる人間”であると再認識しました。自分自身のスキルと視野の広がりを強く感じた、大きなターニングポイントになった仕事です。

3 これから日本ステージで挑戦したいこと

技術と人の両面から“現場力の進化”に挑戦

私自身が営業と技術の両方を経験した立場から、現場とクライアントをつなぐ“橋渡し役”としての機能を強化したいと思っています。
現場スタッフが技術に集中できる環境を整えつつ、お客様が安心して任せられる体制を構築することで、より信頼される現場運営を実現したいと考えています。

そして、「人を育てる」ことにも挑戦していきたいです。近年、若手社員や新入社員が多く入社しています。彼らが安心して現場に立てるよう、教育の仕組みづくりやメンタル面のフォローも欠かせません。“若手が意見を出しやすい現場文化”をつくり、次世代が自然に成長できる環境を築くことが、これからの私の使命だと考えています。
技術は時代とともに進化していきますが、その中心にいるのは常に「人」です。安全で誇りの持てる現場を次の世代へ受け継ぐために、技術と人の両面から“現場力の進化”に挑戦していきたいと思います。

Profile

兵庫県出身。学生時代はバンド活動に熱中し、音楽を通じて「表現すること」や「裏方の支えの大切さ」に強く惹かれるようになる。音楽が生まれる現場を、支える側として関わりたいという思いが芽生え、エンターテインメント業界で働くことを決意。現在は、技術と営業の両方の視点を活かしながら、舞台づくりに携わる。

One day schedule
1日の流れ

9:20 出社、メールチェック・打ち合わせ
社内やクライアントからのメール確認から始まります。当日の作業内容やスケジュールに変更がないかを確認、その後技術チーム内でミーティング、各案件の進捗や作業分担を共有します。ここでの情報共有が、1日のスムーズな流れに直結する大切な時間です。
10:00 現場準備・機材チェック
現場作業に向けて、必要な機材の準備を行います。現場でのトラブルを未然に防ぐためにも、このチェックは非常に重要です。
12:00 昼食
チームのメンバーと一緒に昼食をとります。コミュニケーションの一環として、雑談を交えながらリラックスする時間になります。この時間にアイデアや意見交換が生まれることもあります。
13:00 図面整理・打ち合わせ
現場で使用する図面の整理や、施工内容の確認作業を行います。クライアントやデザイナーから送られてくる図面をもとに、現場での設営方法を確認し、必要であれば修正や提案も行います。
14:00 積込
現場に向けて、機材をトラックへ積込ます。限られたスペースに多くの機材を無駄なく積むには、機材の特性や順番を理解していることが重要です。積み忘れがないようにチェックリストを活用し、万全の状態で出発できるように準備します。
17:00 チームとのミーティング
再度チーム内でミーティングを行います。その日の作業の進捗や気づいた点、改善点などを共有し、翌日に向けての確認を行います。ここでの意見交換が、次の現場作業の精度向上や安全意識の向上につながります。
17:50 退社
最後に翌日のスケジュールや持ち物を再確認し、退社します。